山の果研究所では、和紙の材料を自家栽培しています

01.コウゾ栽培
山の果研究所の畑では、約100株のコウゾを育てています。
4月の終わりごろから、株から新芽がではじめると、畑の草刈りがスタートします。
草刈りは少なくともひと月に一回。
つる草が幹に巻きつくと、だいじな皮を痛めて茶色く変色してしまうなど、ていねいな手作業での除草も必要です。
くわえて、木は、わき芽をこまめに取り除き、枝分かれしないように育てる必要があります。
9月までこの作業が続きます。



02.刈り取り
1月初旬、コウゾを刈り取ります。刈り取った幹は、長さや太さをそろえて束にしてヒモで縛ります。
このあとは、蒸し器にはいるサイズに束ごと切りそろえます。


03. 蒸し・皮むき
コウゾを、大型の蒸し器で蒸し、表皮をむいていきます。
この皮が和紙になります。
むいた皮はしっかり乾燥させて収納します。
近年は、皮むきイベントとして、多くの皆さんにご参加いただいています。


04. 皮の精製(さくり)
コウゾの皮は、三層構造(鬼皮、甘皮、白い内皮)になっており、白い内皮だけにしていきます。
収穫後に保存していた皮を水で戻し、不要な部分を一枚ずつ小刀で削り取って、きれいな白皮だけに精製します。
吉野ではこの作業を「さくり」とよびます。
紙漉きの準備と紙漉き


01. 煮熟
吉野では、煮熟の前に「ちり切り」作業をおこないます。
皮の傷、煮てもつぶれない組織を一つ一つカミソリで取り除く作業です。
その後、コウゾはなべで煮て柔らかくします。
ソーダ灰でアルカリ性にすることで、余分な成分を溶解させたり、結合を解きます。


02. 打解・叩解
煮たコウゾは、たっぷりの水であく抜きし、外皮の破片や、ほどけきれない組織などを、最終チェックしながら取り除く「ちりとり」をします。
そののち、脱水して機械で打ち、さらにビーターという機械でほぐします。ようやくこれで、紙漉きの材料ができあがります。



03. 紙漉き
コウゾ、水、ノリ(ノリウツギの樹皮から抽出したとろみ成分)を、すき舟にいれて、
一枚ずつ和紙を手すきしていきます。
すきあげた和紙はかさねて紙棚にし、ゆるやかに時間をかけてしぼったあと、ていねいに一枚ずつはがして、乾燥機にハケではりつけて乾かしていきます。
こうして、手漉き和紙が完成しました。
製品づくり
山の果研究所では、和紙を草木染めで染色した製品、型染め技法で和紙に模様をつけた製品、和紙に漆をほどこした製品を製造しています。






山の果研究所の染色の独自性
型染とは、型紙をつかって染めをおこなう日本古来の技法で、山の果研究所では草木染め+型染の組合せで染色しています。
和紙は濡れると、破れやすいものです。
草木染めや型染めは、染色、蒸し、洗浄、乾燥を数回くりかえして染めるので、
水で破れやすい和紙には、ほどこすことがそもそも難しい技法なのです。
山の果研究所では、研究をかさねてこれらを可能にしました。

型紙の制作
山の果研究所の型染め用の型紙は、オリジナルで製作しています。
専用紙にデザインを描き、手彫りして作ります。
博物館所蔵の古い文様をもとに、また、オリジナル柄も製作しています。

草木染めの材料
工房周辺で採取した、スギ、栗、ヒサギ、
栽培したキバナコスモス、天然藍の色素などを使用しています。